大好きなんだよ!!
ふたりきりSaturday

勇雅Side




『白石夏生』


画面にそう表示されたのを確認して、通話ボタンを押す。



――♪


少し呼び出し音を鳴らすと面倒くさそうな声の夏生が出た。



「…勇雅?どした?」


「あのさー今から夏生ん家行ってもいい?」


「…いいけど。瑛未ちゃんとデートだから早くね♪」


「分かってるって!!」




――ピンポーン



玄関で待機していたオレは夏生ん家のインターホンを鳴らす。




「……は?」



少し待つとドアが開いて、驚いた顔の夏生が出てきた。



「…おはよー♪」



満面の笑顔で夏生を見ると、苦笑いの夏生は



「…待ってたのかよ?」


と、携帯を耳に当てたままの格好だった。




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