深淵に棲む魚


さて、川祭りでは、僅かに取れた穀物や作物を神への供物として捧げておりました。


ところがある年の初め、昼間が闇夜に変わる奇妙な現象が起こり、その後長らく日照りと長雨が交互に繰り返されたのです。

そのせいで僅かながら採れていた村の作物はすっかり枯れてしまいました。

この上川に異変でもあったら大事だと村人は焦り、権力者の間でひっそり集会が設けられました。



話し合いの結果、ひと月後の川祭りの際、神への供物として人の娘を捧げることが決まりました。




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