Esperanto〜背徳の過去〜
小川の畔を歩いていたら、不意に気配を感じた。ゼファは振り返りそちらに視線を向ける。
「ジュンク」
ゼファは呼ぶと微笑し、相手を見た。
「やぁ、ゼファ。・・・同行しても」
「いいよ。おいで」
手招きし、唇を触れ合わせる。軽く触れるだけだったそれはやがて、口腔を貪り唾液を交換し始めた。
「っ……もういいよ」
ジュンクは離れると軽く頬に触れた。ゼファは物足りなさに唇を寄せると、窘められた。
「だーめ。続きは夜に、ね」
艶めいた声で言われ、肌が粟立つ。そのまま寄り添って家路に着いた。