gardenquartz 小さな楽園

その日はジェシーとベラも心配でキャットの部屋の前に来ていた。
クリスは2人にドアの所に居させて、自分だけ、キャットの側に行って、語りかけた。


暫くすると、キャットの瞳から涙が一筋流れ落ちた。


クリスは安堵した。
感情が戻ったらもう心配ない。
【処分】されずにすむ…。
クリスはホッとしてベッドの横にヘタリ込んだ。


クリスは仲間の中でもリーダー的存在で、面倒見の良い、優秀な人材だった。
全てにおいて、仲間の中では断トツで、逸材として扱われていたし、仲間の信頼も絶大的だった。責任感も強かった。


キャットは徐々に感情が戻り、クリスの呼び掛けに反応する様になったが、相変わらず、幻覚と悪夢で不安定な状態だった。



クリスは根気よくキャットの恐怖を取り除いていった。
ジェシーとベラはキャットの豹変ぶりを見て、信じられなかった。
あの天使の様なTwinsがいったいキャットに何をしたのか…。


どんな訓練もしてきたが、あんなになる様な何をされたのか?


その疑問はキャットが自分を取り戻すのと反比例して膨らんでいった。


しかし、クリスはジェシーとベラにTwins達には関わるなとキツく言った。
正体が判るまでは、手を出したら、危険だと判断したのだ。


数ヵ月にわたり、クリスはキャットの面倒を訓練しながら見ていた。


その間もあの天使達は優雅に過ごしていた。


クリス達はキツくなる訓練を重ねる度に、キャットの身に何が起こったのか知りたくなっていった。

ここの大人達は自分達が問い掛けることは一切無視をして、黙々と訓練のみをクリス達に強いてきただけだった。



そして、キャットがようやくクリスの顔を見て、少しずつ言葉を発し自分を取り戻してきて、あの日あったことを話せるまでに回復してきた。






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