gardenquartz 小さな楽園
不安と極上のkiss
この電話の後の数日間の自分の行動の記憶がまるで実感の無いモノだった。

修利はそんな俺を甲斐甲斐しく面倒をみていたらしい。

1学期の終業式の後、修利は俺を迎えにクラスに入ってきた。

クラスの女子が騒ぎ出す。
俺は窓際の一番後ろの席で夢うつつで修利が入ってきたのも分からなかった。

『おい!和樹帰るぞ!』

俺は頭だけ修利に向けて寝ぼけ眼で返事をした。

『おぉ…。』

下駄箱に向かうため廊下を二人でダラダラ歩いていると、後ろから罵声が聞こえた。

『お前等精々学校に面倒をかけんなよ!!』


高澤だ。


修利は高澤にあっかんべーと笑って小馬鹿にした。

高澤の顔がみるみるうちに赤くなった。

俺は修利を小突き下駄箱に向かった。
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