gardenquartz 小さな楽園
【避難命令です。この屋敷から避難して下さい。この建物は約10分で爆発します。速やかに避難して下さい。】

アナウンスが流れ、カウントダウンが始まった。


ディーンはジョナサンに詰め寄った。
ジョナサンは愉快そうに言った。

『さぁ。これで、みんな私と一緒にここで最後を迎えよう。』


ディーンはギリギリと唇を噛んだ。

『ジョナサン!!止めろ!!』


ジョナサンは笑いを堪えて返事をした。
『ディーン。そのたのみは聞けないよ。残念だけれどね。』


そう言うとジョナサンは両手を広げ、ディーンの前に歩み寄ってきた。

ディーンはナイフを握り締めジョナサンに向かって走った。
ナイフはジョナサンの体に深く食い込んだ。


ジョナサンはディーンを抱き締めた。ナイフがより深く食い込んだ。
苦痛で歪んだジョナサンだったが、何処かホッとした表情を浮かべた。
そして、ディーンの耳元で囁いた。

『君は私の側に居てくれるんだろう?それは自分の意思なのかい?』


ディーンは答えた。
『あぁ。俺の意思でお前の側に居たい。
大丈夫だ。ジョン…。俺は何処にも行かない…。』


ジョナサンは初めて見せる笑顔を浮かべて、
モニターのデスクの下側のボタンを静かに押した。
すると和樹の後方でシュンと扉の開く音がした。


ロックが外れて扉が開いたのだ。


ジョナサンが叫んだ。
『時間は待たないぞ!!急いでこの屋敷から出て行け!!』


『ディーン!!』
碧子が叫んだ。

ディーンは碧子達の方を向き、言った。
『良いんだ。これで良いんだ。さあ。オチビちゃん。逃げるんだ。お前達は生きろ。』

そして、ディーンは和樹に視線を移し頷いた。
(碧子を頼む。)

和樹は頷き碧子を抱き上げ、扉に向かった。


修利はキャットを背中に担ぎ上げ出口に向かった。
アルフレッドはディーンに言った


『¡Dean! ¡Adiós!!Eras el amigo de No.1.』
(ディーン!あばよ!!お前は最高のダチだった)


ディーンはニヤリと笑った。


アルフレッドが扉から出て行き、扉が再び閉まった…。







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