gardenquartz 小さな楽園
A fortunate end
夏休みの最後の日。
俺と修利、碧子、絵梨佳そして、キャットで遊園地に出掛けた。

キャットのリクエストだった。
しかも、電車で行ったのだ。
キャットは電車が気に入ったらしい。

キャットと絵梨佳は直ぐに意気投合して、はしゃいでいた。

何でも乗りたがるキャットをなだめるのに苦労したが、まるで時間が惜しい感じで、次々乗っていた。

俺は背中の疼きにも耐えて、後は完成するのを待つだけだった。


修利はオヤジさんに日本語を教えて、オフクロさんと3人で暮らしている。


『キャー!!』
キャットが笑いながら悲鳴を上げて乗り物に乗っている。

碧子が手を振っていた。

楽しい1日だった。
夏休みの良い締め括りだと思った。


帰り道、キャットが皆に行った。
『私、明日、日本を出るわ。』

俺は驚いて聞いた。
『何で?ずっと居れば良いじゃん。』


キャットはちょっと皆の前に進み後ろ向きに歩いて。
俺達の顔をひとり一人見ながら答えた。

『それも、凄く魅力的なんだけど、私、もっと沢山世界を見て回りたいと思ったの。
私はもう、大丈夫!だって友達も出来たし、皆の愛を知ったから。
今度は私が愛し方を知りたいし、折角の自由を有効に使いたいから。』


碧子が言った。
『キャット。行ってらっしゃい。でも、忘れないで。
あなたには帰る場所が出来たんだから。
必ず帰ってらっしゃい。』


キャットは照れながら答えた。
『うん!ちゃんと帰ってくるね。』


絵梨佳も言った。
『また、遊ぼうね。』


『今度は動物園に行こうね。』
キャットが言った。


修利は静かに言った。
『キャット。沢山色んなものを見てこいよ。』

キャットはニヤリと笑っていった。
『任せてよ。』


夕陽がキャットを照らした。
キャットの笑顔が輝いていた。






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