gardenquartz 小さな楽園
ディーンが俺達に聞いてきた。
『坊や達は野営の経験はあるか?』

俺達は縦に頷いた。

『良し。万が一の為の暗号も、この島の地図も頭に入っているな?』

修利が得意気に答えた。

『勿論。俺達はそんなに馬鹿じゃないぜ。』

ディーンは口の端を上げて両手を俺達に差し出した。
俺達は手のひらをディーンに出した。


ディーンが俺達に差し出したモノは銀の美しい模様が刻み込まれた弾丸のネックレスだった。

俺達はその美しい模様に目を奪われた。
弾丸なのにこの美しさに目を奪われた。


『坊や達。……イヤ、和樹に修利。お前達、最後までオチビちゃんを守り抜け。俺に何があっても、必ずオチビちゃんを守れ。これは約束の証だ。良いな。』


俺と修利はディーンを真っ直ぐ見て答えた。
『あぁ。誓うよ。』


キャットがふてくされて言った。

『アタシも居るんだけど。忘れてない?』


ディーンは声を出して笑った。
『お前は俺と来るつもりだろう?』


キャットが上目使いでディーンを見て
答えた。
『あら。バレてたの?』


俺と修利、碧さんはギョッとしてキャットを見た。

キャットは悪戯を見つかった子供のような顔をして言った。

『私は私の後にも不幸な人間を作る奴等を許せないだけ。心配しないで。私は何時だって上手くやって来たんだから。それに、今回はオッサンも居るしね。』



ディーンが目を大きくして言い返した。
『誰が、オッサンだと?俺はまだ、25だ。』



俺達は全員驚いた顔でディーンを見た。



ディーンはフンという顔をしていた。





………………ゲーム開始まで後、30分。




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