The Story~恋スル君ヘ~
美術室の窓からのぞく、“誰か”の
影にも振り向かない。




強く、あろうじゃないか。




夏帆だけを見つめる、強さ。
揺らがない、強さ。




きっと手に入れてみせるから。




背中越しに、誓う。



こんな情けない俺に、ダメな俺に、
深く想いを寄せてくれた君へ。








振り向かないままで悪いけど。




「功毅ぃ?何か考えごと?」


顔をのぞき込んでくる、夏帆。



心配、すんなよ。
マジで、大事にするから。


「何でもねぇよ」



夏帆の頭にぽんと手を置き、
軽くテニスラケットを一振りする。














今日も、暑い。




☆End☆




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