The Story~恋スル君ヘ~
スケッチブックには、
もうたくさんのテニスコートの風景。


夏休みに入ってから、描きはじめた、
ボールを追って駆け回るあの人の姿。







誰も知らないだろう。
誰も気づかないだろう。


私の気持ちなんて。


・・・知られなくていい。
気づかれなくていい。
このままでいい。









自分の気持ちに区切りをつけるため、
私は一つの絵を描いた。



夏帆ちゃんと原沢くんの似顔絵。




夏帆ちゃんの誕生日はそろそろだから、
そのときに渡そうかな、と思っている。










・・・もう、きっと大丈夫。
叶うだけが恋じゃない。






想うだけでも、きっと恋だ。
大切な、恋だ。





言い聞かせて、私は今日も、描いていく。
永遠に、誰にも知られない想いを。




☆End☆

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