僕なんかが恋をしてもいいですか
けだるい朝
午前8時。

全ての報告を終え、入院患者のカルテを日勤のナースに手渡す。

昨日は患者の容態も安定していて、静かな夜だった。
季節がら、病床にもちらほら空きがある。

いつもの日常、いつもの夜勤明け。




40歳を越えても、まだ2~3年は大丈夫だった。
しかし、この1年ぐらいは、夜勤明けになると体が重くて仕方ない。
泥のなかを進むように、見えない何かに行く手を阻まれる。

ゆっくりと腰をあげ、ナースに挨拶する。
「お疲れさまでしたー」
山びこの様に次々に聞こえてきた挨拶を背に、ナースステーションを出た。




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