【完】続・狼王〜全国一の暴走族とわたし〜
「っ……あぁっ。

でも助けらんなかったっ……。

命が惜しくて逃げたんだ。」


斗真はあの時と同じ様な目で見つめた。


「それでいいんだよ斗真?

間違ってない。もう…恨んでなんかないから。

だから……また私を助けてくれようとあの人に私を自分の女にするって言ってくれたんでしょ?

ありがとう。あなたのお陰で助かったよ斗真。」


そう言った瞬間、斗真の目から涙が零れた。


今の斗真があの時の幼い少年に見えて思わず抱き締めた。


ごめんね斗真…。私のせいでこんなに苦しんで。


……やっぱり終わらせなきゃ。


これ以上私の大切な人たちを苦しめるあの人を……。


私の手で終わらせなきゃ。
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