【完】続・狼王〜全国一の暴走族とわたし〜
「ごめんね?急に。

それでも美怜ちゃんに聞いて欲しかったんだ。

いいかな?俺の弟の話しても。」


強い眼差しで私を見る直輝先輩に圧倒されながらも、少し頷いた。


「ありがとう。

これは……君が黒龍に入った時の話だよ。

俺の弟の名前は真輝-マキ-。

真輝は黒龍に入ってたんだよ。」


「え?黒龍って…龍平の?」


「そう。まだ下だったんだけどね。

龍平に憧れてさ。

どうしても入りたいって聞かなくて。

強くなりたいからって…メンバーになったんだよ」


そうだったんだ。


真輝君…知らなかった。


………?


知らない?


私、本当に真輝君のこと…知らない?

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