神様修行はじめます! 其の三
この憎ったらしい声の主は、門の向こう側にいる二匹のコマ犬達。


門川正門を守護する存在だ。


あたしを通すまいと結界を張って、通せんぼしてるんだ。


まったく毎回毎回、なんで通してくれないの?


もういい加減、あたしの顔くらい覚えてくれてもいいじゃない!


記憶装置、壊れてんじゃないの!?



門のどっかに穴でも開いてて侵入できないかな?


あたしはキョロキョロ周囲を見渡す。


でも当然、天下の門川一族を守る正門にそんな不備なんかあるはずない。


アリんこ一匹通れるほどのヒビすらないよ。


ったくハラ立つくらい安心安全設計ね。


情けなく溜め息を吐く息が、真っ白に染まった。


ううぅ、マジで寒い~~!

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