神様修行はじめます! 其の三
「ずいぶん久しぶりですけど、相変わらずですわね。あのヘビ女」


乙女会の姿が見えなくなってから、お岩さんが呆れたように呟いた。


ふうん。当時からヘビだったのか。塔子さんって。


「すっかりアナコンダかアフリカニシキヘビに成長しましたわね。おとなしく熱帯雨林に引っ込んでいればいいものを」


「岩よ、お前すっかり貫禄がついてきたのぉ」


「あんなのにビビッてられませんわ。大型ヘビなんて権田原の裏山に、いくらでもいますもの」


ふんっと薄目で鼻息を出すお岩さん。


「アマンダったら、あんなアナコンダなんかに弱腰になっちゃダメですわよ!」


「お岩さん、聞いてたの?」


「当然、盗み聞きしてましたわ!」


「ジュエル様、そういった事は大声で自慢なさらぬようにお願い致します」


「アマンダ、何があっても永久様を守るとわたくしに誓ったでしょう?」


お岩さんがあたしの目を覗き込むようにして聞いてきた。


うん。どんな事があっても耐え抜いて、彼を守るって誓った。


その気持ちに偽りは無いし、今も変わらないよ。


陰口なんて平気。針のムシロだって、いくらでも座ってみせる。


これ見よがしに長時間、正座してやる。


あたし自身への攻撃なら、どーんと受け止める自信があるんだ。


でもあたしのせいで門川君に迷惑がかかるのは・・・。


それだけは耐えられない。どうしても。


彼に迷惑かけたくない。


本当に、あたしがここにいる事が彼の為なのかと考えてしまうよ・・・。

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