女子高生始めました。
目に見える筋肉で、逃げられないことは明らかやった。


両側から手を拘束されて、錠剤を無理矢理飲まされたが、その時は特にこれといった変化はなかった。


それを相手が面白くなかったようですぐに解放してくれたが、異変が起きたのは翌朝やった。


目が覚めると、あるはずのない重みのある胸や、身体の中心にあったはずの男の象徴が、跡形もなくなくなっていた。


恐る恐る手探りで自分の身体を触っていくと、頭ん中に絶望が込み上げてきた。


もうこの身体で学校になど行けず、全寮制の女子高に編入手続きを終えたのが昨日のこと。


夏休みが明ければ、そっちに通うことになっている。


「なあ、母さん?」
「ん?」


母さんは、さっきとは別人と思うほどの穏やかな声で返事をした。
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