Loneliness
最果ての刑務所



――愛してる。



もう覚えてすらいない筈の その声が、
聴こえたような気がした。



10年前。



家族も、仲間も、感情も、
自由も、希望も、未来も。



全てを喪って、独りに なった。



貴方の その言葉は、
信じられるものだったんだろうか。



死に場所すら求めていたのに、
自分の能力の所為で、
死ぬ事すら出来ずに。



命令に従って沢山の人を暗殺した。



ずっと、自分を殺してくれる人を、
待っていた。



それなのに。








まだ、生きている。








もしも神が居ると言うのなら、
彼は俺に何を望んでいるのだろうか。

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