赤い靴
「繕って生きる大変さは、俺はこんなだからわからないけどさ…きついんだろうってことだけは分かる」
そして、その言葉と共に大きな手はぎゅっと肩を抱く。
「だからさ、もう少し肩の力抜いて生きたらいいよ」
「……」
肩の、力を抜いて
「大丈夫。見栄張らなくても、結さんにダメな所があっても、結さんは結さんだから」
ダメな所も、私は私
「俺は、嫌いになんてならないよ」
そんな優しい言葉を、くれるから
「…、…」
ぽた、とまた一つこぼれた涙