赤い靴
(電話中なら仕方ない…)
「申し訳ありません、少々お待ちください」
レジの所でワンピースを持っている女性へそう言いながら私は脚立をいそいそとおりる。
が、その瞬間ガクンッと段を踏み外す感覚
「!」
途端に体は一気に床へ落ちていく
ーガシャーンッ!!
「!きゃっ…キャー!!」
「!?店長!?大丈夫ですか!?」
「…、…」
床にぶつけた体が、じんじんと痛い。
痛みとざわめく周りの声に、思い出すのはあの日と同じ感触。