赤い靴



(…当然といえば、当然)



あんな風に言われてる姿を見て、普通に接することが出来る人なんていない。

引かれたのか、それとも嫌いになったか
…そう考えた時にそもそも私と彼の間には、どんな間柄というべきかの名称もないことに気付いた。



ただ同じ建物で働いていて、ただ偶然少し仲良くなっただけで、優しい彼が親切にしてくれただけ。

それだけの、関係。





「最近店長、痩せましたよね」

「……」



その日の仕事中、レジの内側で書類を書いていた私に錦さんは眉を下げて言った。


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