呪信メール
松田は出版社のある文京区から車を飛ばし、彼女の自宅がある日野市に向かった。


時刻は午後五時を過ぎているから、約束の六時には確実に間に合わないだろう。


出る前に電話をしたら、かなり不機嫌に責められた。


彼女の恵理子は明渓女子大学に通う学生で、松田より三つ年下の二十一歳である。


可愛いからチヤホヤされるのに慣れているのだろう、お姫様体質で、松田のことを平気で、いつも足代わりに使うのだ。
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