サイコーに不機嫌なお姫様。



細い指……綺麗な手を握る。



コテージを叩きつける雨の音がなおの声をかき消す。


握られた手が強くなるたびになおの辛さを感じて……



心は傷んだけどなおは絶対にやめないでって言ってくれた。



それだけでたくさんの愛を感じたよ……



なお……俺すごく幸せだよ。



だってなおは俺を選んでくれたんだから……



なおのことを大切にする、幸せにする権利を俺は手に入れたんだ。



「……大丈夫?」


「うん……」



腕枕しながら横になっているなおの額をなでる。



俺はなおの初めての男になった。最後ももちろん俺なんだけどね。



「ね……ツッチー……」


「ん?」


「初めてのキスもこんな天気だったよね」



ああ……そういえばあの日もどしゃ降りだった。






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