好きだなんて言わなければよかった【完】

*不安<真生side>



真生side


――…



「あー、ちくしょ…なんで怒鳴ったりしたんだよ、オレは…」




部屋のベッドに横たわり、オレはポツリと、そう呟いた。




紗綾……声が震えてたよな




さっきの紗綾の声を思い出し、短いため息を溢す。




…心配してくれたのに、わざわざ気にかけてくれたのに…なんで、オレは、あんな対応をしてしまったのか。





「…っあぁ、くそっ」




そんな自分が腹立たしくて仕方がない。





…慎也なら、優しく接したんだろうな。





そう考えると、余計にむなしく感じた。




< 119 / 404 >

この作品をシェア

pagetop