好きだなんて言わなければよかった【完】


「…っはぁ…本当は、応援する気なんてこれっぽっちも思ってなかったのになぁ」




私の調子を狂わせたのは、まぎれもなく紗綾ちゃん。




「ま、自分からはじめて好きになった人が幸せになれるならいいか…」



なんて、ポツリと、呟いた途端、自然に笑みがこぼれていた。




私も、丸くなったな…




紗綾ちゃんたちぐらいの年齢だった頃の自分を思い返すと、まだ、たった3年ほどしか経っていないはずなのに、随分昔の気がする。



怖いもの知らずで、強がりで、無鉄砲…カッコいい男の子を見つけたらすかさずアピールしてたあの頃の自分。




うわぁ…思い出すとイロイロ痛かったかも、私…。





そう思いながら、私は、軽く肩を落とす。




大人のようでまだまだ子どもだった自分を思い出しながら…。





明美side*end*



< 197 / 404 >

この作品をシェア

pagetop