好きだなんて言わなければよかった【完】



「………もう、いいよ…」





自嘲的な笑みが溢れ、私はそのまま部屋を出ようと真生くんの横を通りすぎた。





「ちょっ…待てよ、紗綾!?」




そう言って、真生くんは、私の腕を掴む。





「…っ、触らないで!!」




反射的に、私は思い切り真生くんの手を振り払っていた







――…私は、その日、はじめて真生くんを拒絶した。





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