好きだなんて言わなければよかった【完】
「もぅ!紗綾は、今日私の買い物に付き合ってくれる約束だったんだからね!」
「…ゴメン、呼び出し、いきなりだったからさ」
未だにプクッと頬を膨らませて、怒る小夜子に苦笑いを浮かべながら、私は、謝罪の言葉を口にした。
「しょうがないなぁ〜、今日の所は許してあげよう!!じゃ、紗綾はやく買い物行こ?紗綾のカバンも持ってきたよ」
「…うん」
ニコニコと、笑顔の小夜子に私は、自然と顔が綻ぶ。
――…
「ね、紗綾ちゃんと小夜子ちゃんって何で仲良くなったの?」
たびたび、クラスの女子たちから、こんなことを聞かれることがあった。
確かに、私と小夜子は、タイプが正反対だと感じることはよくある。
どちらかといえば、ぶりっ子タイプで騒がしい小夜子、
そして、
いかにも、小夜子みたいなタイプの子が苦手そうな私。
クラスメートたちが不思議がるのも当然なのかもしれない。