エクスタシー 2 〜極貧のオンナ?〜
シャンパンを一本開け、フルボトルのワインが半分ほどになった時、あたしの座っているソファの方にヒロトが移ってきた。

「美穂さん……」

じっと見つめてくる。

彼の瞳にあたしの顔だけが映ってる。

我ながら見惚れてしまうぐらい綺麗な顔が。

「愛してます」

真剣な目をしたヒロトの告白。

天下を取ったような気分だった。

ヒロトの父親が経営する投資会社はやがて彼のものになる。

仕事熱心なヒロトは結婚後も今と同じように、世界中の拠点を飛び回るんだろう。

あたしはヒルズのマンションで一人、ショッピングしたり読者モデルとして取材を受けたりして過ごす。

ああ……。

理想の生活に指先が届いている。

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