エクスタシー 2 〜極貧のオンナ?〜
藤山のあとを追うように立ち上がったヒロトは、テーブルを離れる前に
「母さんはああ言ったけど、僕は絶対にあなたのことを諦めない」
と言い残して去って行った。

初めてヒロトが藤山の言葉を否定した。

―――ちょ、ちょっとカッコイイじゃん。

そう思いながら、ヒロトの後姿を目で追った。

レジの前。

藤山がバッグからハンカチを取り出した。

立ち止まるヒロト。

唇についた生クリームを藤山にぬぐってもらっている。

―――ムリッ! やっぱり、絶対ムリ!


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