ナツ恋。



所々寄り道しながら、2時間くらいかけて大体の場所は回った。



最後は………。



「ナツ、ここ俺の家だよ」

「えっ!ここって…」

「うん、俺のおじいさんがここが村だった時村長をやってたんだ」



さすがに、元村長の家は知っていたらしい。



ここに引っ越して来た時に、なんらかの形でじいさんに挨拶をしているはずだ。



もう、村長でもないんだけど、やっぱり風習とかはなくならないみたいだ。



「シュウはお坊ちゃんだったんだね…」

「え、そうでもないよ。ただの頑固じじいの孫さ」

「あははっ!おじいちゃんがここのおじいさんは難しい人だって言ってた」

「俺なんか毎日のように、男がそんななよなよしとってどうすんじゃ!ってお説教されるんだ。失礼だよね」

「うーん、確かにシュウって華奢だよね」

「あはは…耳が痛いよ」



顔も中性的だし筋肉もつきにくい体だから、それなりに気にしてはいるんだけどね…。



「ねぇシュウ、お家の後ろにあるあの木大きいね」

「ナツは目を付ける所がいいね。あの木、樹齢100年は越えてるんだって」


夏は木陰に入ると涼しくて気持ちがいい。


< 26 / 47 >

この作品をシェア

pagetop