学校一のモテ男といきなり同居
早めに上がり、また井上くんに声をかける。


「そこに、いるよね!?」


「おう」


よかった…。


部屋着に着替えて、廊下に出た。


入口の横の壁に、もたれて立っている井上くんがチラリとあたしを見る。


「早くね?もっとゆっくりすればいーのに」


「もう、落ち着いた…ありがとう。井上くん、入ってきて?」


「もー、いーわ。眠いから、寝る」


「そーなの?」


「おう。真央、ひとりで大丈夫?なんなら、添い寝…」


「もう、大丈夫っ!!お休みっ」





待ってもらってたくせに、あたしは急いで部屋に走った。


はぁ…。


ホント、なんでいちいちあんな言い方するんだろう。


普通に喋ってよね。


自分のベッドに入り、肌布団を頭からかぶる。


今日は色々ありすぎて、すぐに眠れそうもない。


そう思っていたのに、


気づけば、空が白んでいた。


< 270 / 978 >

この作品をシェア

pagetop