学校一のモテ男といきなり同居
家の前に、投げ出された自転車が転がっていた。


きっと、郁実は慌てて家の中に入っていったんだよね。


今、ここから走れば、ストーカーより先に玄関にたどりつけるかもしれない。


だけど、もし捕まってしまったら…。


そのときは、叫べば郁実が気付いてくれるよね!?


意を決して走りだそうとしたそのとき。








「真央ちゃんは、おうちの中にいるのかなぁー?」


えっ…。


よりによって、ストーカーが玄関に近付いていった。


そして、玄関の中に入ろうとしている。


ちょっと待って!


中に、郁実がいるの!!


だけど、怖くて動くことができない。


あたし…


どうして動けないの?


郁実に危険が迫ってるのに、止めに行くことができない…。


全身が震えて、あたしはただ、


ストーカーが家の中に入るのを、ただ見ていることしかできなかった…。




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