学校一のモテ男といきなり同居
夢と現実と
――カチャッ。



いつもカギのかかっていない郁実の部屋のカギが、かかっていた。



これは……



非常事態だよね。



白雪さんの計画を知ってしまったんだと、確信した。



郁実は……怒ってる?



それとも、傷ついてる……?



心配で、いてもたってもいられなくなる。



昨日、不安だったあたしを、そっと包みこんでくれた郁実。



郁実がくれたのと同じ温もりを、あたしは郁実に与えることができるのかな……。










扉を、数回たたいてみる。



「郁実っ。ここ、開けてよ」



まるっきり、返事がない。



最初は軽く、そのうち思いっきり扉を叩いた。



「開けて!!ねえっ!!」



大声で叫んでいたら、しばらくして扉が開いた。


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