学校一のモテ男といきなり同居
「真央っ……目が覚めた!?よかった!!」



「と……友、ちゃん?」



よく見れば、あたしを抱えていたのは友ちゃんだった。



だから、こんなに安心できたんだ……。



だけど……郁実と友ちゃんは、どうしてここがわかったの?



問いかける前に、友ちゃんが大きな声で叫んだ。



「よかった、真央が目を覚ましたよ!!郁実くん、思う存分やっちゃって!!」



友ちゃんが叫ぶと、郁実があたしの方を振り向いた。










い……郁実。



ホントに来てくれたんだね……嬉しい。



感激して、郁実のところまで走って行こうとしたけど、まだ足に力が入らなかった。



「真央っ、そのままジッとしてろ」



郁実が手を前に伸ばして、あたしを制する。



そしてすぐに、白雪ちゃんの方に向きなおった。



「郁実っ……許して、お願い……」



白雪ちゃんが泣きながら訴えているけど、郁実は首を横に振った。



「女だけは殴らないって決めてたけど……どうにも怒りがおさまらねー。コイツらと同じように、気絶するまで殴ってやるよ」



「嫌っ……それだけは、やめて!?あたし、モデルになりたいの。顔に傷が残ったりしたら……」



蒼白な顔で、頬を押さえて泣いている。



「知るかよ。ストーカーの一件で、真央がどれだけ怖い思いをしたかわかるか!?トラウマになってんだよ!!

なのに……傷口えぐるようなことしやがって。しかも非常事態に、助けもせずによくも…」



郁実が、白雪ちゃんの胸ぐらを乱暴に掴んだ。



< 626 / 978 >

この作品をシェア

pagetop