学校一のモテ男といきなり同居
話が終わった頃、白雪ちゃんが戻ってきた。




「ちょっと、あんたたち。またあたしのいない間にコソコソと……」




「いっ…今のは、もしかして草野くんに聞こえたらダメだと思って」




慌ててフォローすると、納得している。




「そう、それならいいけど」




「コソコソ話が苦手って、白雪って案外小心者だよね」




友ちゃんの言葉に、



「なにーっ!!」



白雪ちゃんが手を振り上げて怒りだす始末。



ああ…また始まったよ~。



「今あたしたちが争っても仕方ないよね!友ちゃんも、あんまり白雪ちゃんを責めないで?

ねえ、ミキオくんどうだって?」



白雪ちゃんに問いかけると、頷いている。



「あいつが何と言おうとやらせるから。もちろん、返事はOK」



「よかった…でね、考えたんだけどミキオくんだけだと心配だから…しっかり者の白雪ちゃんにも同行して欲しいの」




「あたしも?まあ…そうね、ミキオだけだと失敗するかも。わかった、あたしも行く」



「ありがとう!とりあえず、バレたときはふたりでイチャイチャして、誤魔化してね?それなら、草野くんも怪しまないだろうし…」



って言ったら、白雪ちゃんの顔が固まった。










「……は?今、なんて言った?」




「あー、えっと。バレそうになったら…ミキオくんとデートしてるフリして欲しいの」



「あたしが…ミキオと?ありえない…」



思いっきり、嫌そうな顔をしてる。



「バレたら最後、草野くんのこと、つきとめられなくなっちゃう……」



困ったように眉をひそめると、白雪ちゃんは諦めたようにため息をついた。




「わかった……適当にやるわ」



「やったー!ありがと!!」



白雪ちゃんの手をとって喜ぶと、なんだかまんざらでもない風。



そういう対象に見てないだけあって、照れたのかも。



意識しなかった相手を意識し始めたときって…



あたしが郁実にドキドキしたみたいに、急速に進展する可能性もなきにしもあらずだよね。



ミキオくん、頑張ってね!



心の中でエールを送りながら、白雪ちゃんの手を握りしめた。






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