学校一のモテ男といきなり同居
答えに詰まっていると、口もとに笑みを含んだまま、




郁実は部屋を出ていった。




「待って」




追いかけたけど、扉を出たときにはもう、




郁実の姿はそこになかった。

















合鍵、もらったんだよね。




“特別”って感じですごく嬉しい。




だけど…




それなりの覚悟なんて、できるわけない。




どうしてあんなイジワル言うの?




昨日の郁実は、ただ部屋で待ってればいいっていうニュアンスだったのに…。




だけど久しぶりに会ったことで、




あたしの中の郁実熱が急騰してる。




郁実のことだから、強引に押し倒したりしないよね。




だから、学校帰りに行っちゃおうかな…。




そこまで思って、肝心なことに気がついた。




…あれっ?




郁実って、今どこに住んでるの?




学校名も住所も聞いてなかったんだった…。




あたしは急いで郁実にメールをして、自分の教室へと向かった。




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