チョコよりも甘く
だけどあたし、玲汰を傷つけることだけはしたくないんだ。

なんて心の中では思うけれど、現にあたしは龍斗と玲汰、2人をも裏切った。


不器用なあたし…、最低だ。




でも、、それでも愛してくれる人がいる…

こんな幸せないでしょ?




だからあたし、決めたんだ。
もう迷わないって。



こんなあたしでも、誰かを愛することが出来るかな…




「…玲汰はすごく大切な存在だし、これからも、…大人になっても仲良くしていたいの」



あたしの震えた日本語を、一字一句逃さないように聞いてくれる玲汰…


たまに不安そうな表情を見せるけど、抱擁感のある玲汰…



そんな彼に、あたしは甘え、傷つけた。


だから、玲汰には、幸せになってほしい。




ずっとずっと、笑っててほしいんだ。



「龍斗は…意地悪で不器用で、自分勝手なところもある。あたしのお弁当、勝手につまみ食いしたり…学校サボるのまきぞいにしたり…」



あたしは意味もなく、龍斗の話を続けた。


「…ほんと玲汰とは正反対で。…だけどあたしは、そんな龍斗が愛しいと思えるんだ。



      ・・・だから、玲汰とは付き合えない」
< 164 / 172 >

この作品をシェア

pagetop