チョコよりも甘く
「今日の龍斗、なんかいつもと違うよね?」

「どこが?」



紗姫が聞くと、龍斗が真顔で聞いてきた。
ちょっと怖かったので控えめに言った。



「意地悪というか、優しくないっていうか…」

「ああ、いつもの営業用だから」



え、営業用…




「南城グループの名が汚れないようにね、」

「そっか…。」





龍斗もいろいろ大変なんだ、

みんな羨ましく思ってるけど、本当は裏で頑張ってるんだね。









「そろそろ戻るか」


そう言って手を差し伸べてきた。
紗姫はその手を握った。



「うん」



あたしたちは何事もなかったかのように、手を繋いで倉庫を出た。

そしてすぐに、龍斗は自分の教室へ戻っていった。









葵たちのところへ行くと、何があったか話す前に「よかったネ!」って言われた。




どうやらあたしと龍斗以外は、2人が両想いだって知ってたらしく、みんなが協力していたらしい。





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