嘘の誓いとLOVE RING


こんな夜中に誰だろう…。

もしかして、圭祐が心配して様子を伺いに来てくれたのか。

ゆっくりと歩きながら涙を拭い、ドアの覗き窓から確認すると、それは凌祐だった。

「凌祐…」

なぜ、凌祐が私に会いに来るのか。

佐倉さんとの時間が終わって、ここへ来たのだろうけど、一体何の用なのか?

ドアを開ける勇気などなく、その場へ立ち尽くしていると、さらにもう一度ノックされた。

ドアの向こうの凌祐は、不審そうな表情を浮かべて、そわそわしている。

それでもドアを開けずにいると、今度は携帯が鳴りはじめた。

慌てて携帯を見ると、それは凌祐からだ。

ドアを開けないから、電話をかけてきたのだろう。

だけど、それすら電源を切ると、そのまま凌祐を無視してベッドへ潜り込み、布団を被った。

一体、どんな顔で私に会いに来たのか。

佐倉さんを抱いた後で、よく私に会えるものだ。

怒りとも悲しみとも、そして嫉妬とも思えるドロドロした感情を持ちながら、ひたすら朝が来るのを待ったのだった。

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