嘘の誓いとLOVE RING
圭祐から、告白をされた時も思ったけれど、私は今まで二人の何を見てきたのだろう。
素っ気ない態度を取られてばかりで、私を好きかもしれないなどと、自惚れる余裕などなかった。
「いつから…?いつから、私を好きでいてくれてたの?」
「ハッキリと自覚したのは、美亜が高校生の時。初めて彼氏が出来たろ?あの時、嫉妬をしてる自分に気付いたんだ。でも、俺は26歳のいい歳だったから、自分の気持ちに素直になれなかったんだよ」
そうだ。
私たちには、10歳という年の差がある。
私は、凌祐に対してあまり意識はしていなかったけれど、きっと凌祐には年上としてのプライドがあったのだろう。
高校生の私に、既に社会人になっていた凌祐が、素直になれないのも無理はない。
「実は、俺が美亜を好きなのは、家族みんなお見通しでさ」
「えっ!?家族みんな!?」
という事は、圭祐も知っていたのか。
だから、告白をしてくれた時も、私と凌祐に幸せになって欲しいと言っていたのだ。
ようやく意味が分かり、圭祐の優しさに胸が熱くなる。
「驚いたろ?だから、美亜との結婚話を親父さんが持ってきてくれた時は、家族みんなにからかわれたよ。美亜にとっては、迷惑な話だっただろうけど」
苦笑いを浮かべる凌祐に、どんどん力が抜けていく。