君が呼ぶ声
私は今学校の屋上にいる。
理由なんて決まってる。


死のうかなー…って。


もうこの世に思い残すことなんてないし
こんな世界で生きていくなら死んだほうがまし。




私は靴を履いたまま屋上のへりに乗った。


(私が死んだら…あいつもちょっとはおろおろするかなぁ…)


あいつが狼狽えてる姿を想像して思わず笑みがこぼれる。



そう。思い知ればいい。





私がどんなに愛しても
何も愛を返してくれなかったあの男。



私は愛する故にあのダメな男を憎んでいる。



(まぁあいつとも…もうおさらばだな)


…と考えて息をめいっぱい吸うと、肺を切るような冷たい風が入ってくる。


そうしたらなぜかとても寂しくなった。
私は孤独なんだなって実感させられた。


(なんて今さらだな)

あははっと一人乾いた笑みを浮かべると、

私は両手を横に広げた。



最後くらい自分に自由を与えようと思って。

空をはばたく鳥のように…
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