君が呼ぶ声
唐突に


雨が体を打ち付けなくなった。




月のない雨の夜は地面に影を映し出さない。
だから俯いていた私は
傘を差し伸べられたとすぐにはわからなかった。




ゆっくりと後ろを振り向くと
しっかりと整えられたスーツが見えた。


「大丈夫?」


そう言って…その男は私を優しい瞳で見つめ、

「びしょびしょのままじゃ風邪をひく。雨宿りしようか」


とまた口を開き
私の腕を掴んだ。


その時微かに嫌悪感を感じたが、そのまま腕を引かれ歩き始めた。


(どうせH目的だろ)
なんて思ったが、

今はその腕を振り払うほどの気力はなかったんだ…
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