わたし、巫女ですから



「……すんません」

 渋々謝って、湯飲みのお茶を啜った。飲むなら文句言うな。

「あー、もう!お金の成る木でも生えてこないかぁ……」

「それは無理だと思うよ」

「えー……」

 無理だと分かっていても、夢でも見ないとやってらんない。

「……椿が婿になって神主になってくれたら、少なくとも神主不在は解決するんだけど」

「へっ?!」

 椿が真っ赤になってオロオロする。そんなに慌てなくても冗談なのにーー半分本気だけど。

「身分証明がなくてもなれるのか?」

 冷静に鋭く突っ込む楓は、空気が読めないとも言う。

「……無理」

「そもそも、妖怪の神主っていうのもどうなんだよ?」

「そりゃ……まぁ……」

 ーーそう、椿だけじゃない。ここに居る五人のうち、わたし以外は皆妖怪なのだ。椿は九尾、楓は大蛇、藤は鴉天狗、牡丹は化け猫。
 この神社に居候しているわたしの幼なじみーー4バカ妖怪だ。

「妖怪でも稼げる方法ってないのかしら……」

「あるなら、僕らも役に立ちたいけど……」


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