溺愛協奏曲
すると今まで黙って一部始終を見ていた金髪の女が急に立ち上がり金切声を上げた




「ちょっとなんなのよ!この女、勇次のなんなの?こんな子供よりあたしのほうが


いい女じゃないこんな子供にかまってないで早く二人っきりになろうよ」



「あ?なんだと?」



「ねえ・・・何度も抱いてくれたのは勇次があたしに惚れてるからじゃないの?


あたしが勇次の女に決まってるよね」



勇次という赤い髪の男に女の人がしな垂れかかると腕を振り払う



「きゃっ・・・・」




いきおいあまって尻餅をついた女を一瞥すると男は冷たい目を向ける



「おまえに俺がいつ俺の女だって言ったんや・・・誰も言うてないやろが


あ~おまえもう飽きたからどこへでも行けや、この際やからはっきり


言っとくけどな、お前みたいなおんなヤルだけの女にきまっとるやんけ



だからお前もう俺の前から消えてくれ」




信じられないことを口走ると男は茜ちゃんを力強く抱きしめた



身をよじって嫌がる茜ちゃんを見て怒りに震えているのが分かる




やるだけの女って・・・・



飽きたからどこにでも行けって・・・この男最低




この女の人は心の底から好きだったかもしれないのに・・・・




拳を握りしめると金髪の女の人はポケットからきらりと光る物を出した





そっと取り出したのは・・・ナイフ?




あたしと目が合うとヒールを鳴らして目の前に立った



え・・・なに?



訳が分からずうろたえていると女の人は口元の布をはずし




ナイフで手を縛っていたロープを切った






































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