溺愛協奏曲
「蓮・・・・あの、あたしを刺した女の人はどうなったの?」



「・・・・・・」




病室に漂う一瞬の静寂



まさか・・・・もしかして・・最悪な情景が頭をよぎる



一瞬冷や汗が背中をつたったかと思うと涼くんの声が耳に響いてきた



「莉子ちゃん、あの女は片山に連れてってもらったよ


蓮は莉子ちゃんが刺された瞬間あの女を許さねえって宥めるのにちょっと


苦労したけど、悩んだ挙句片山に連れてってもらうことにしたんだ


あいつなら悪いようにはしないだろ、遊びだったとしても自分の女だった



奴だしもちろん茜ちゃんのこともね、あいつの親警視総監だからなんとか


してくれるだろう」



涼くんの言葉に絶句



あの赤い髪の男の親が警視総監・・・・



親が警視総監だなんて・・・そんな風に全然見えないんですけど



「・・・・で莉子、どうするよ茜のこと・・なんなら俺がしばいてやっても

いいけど」



あたしの髪を撫でながらにやりと笑う



蓮がしばく!とか言うと洒落になんないし



茜ちゃんのことはあたしに委ねられた訳だけど・・・




悩んだ挙句あたしが出した結論



「退院の日に茜ちゃんと片山勇次、二人連れてきてあたしが全部ケリをつける」




あたしの言葉になにをするのかと不安げな皆をよそに早く治さなくちゃと一人意気込む



そんなあたしを心配そうに見つめる蓮の姿を拓巳くんと涼くんがじっと見つめていた









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