溺愛協奏曲
第20章
「ったく・・・お前俺のことどんだけ好きなんだよ」



蓮に抱きしめられたまま胸の鼓動を聞いていた



たぶんあたし泣き顔だからひどい顔になってるかも・・・




呆れたように呟く蓮はなんだか上機嫌で・・・




優しく髪を撫でられてそれだけで安心するあたしは単純な人間で・・・



蓮の言葉一つで一喜一憂するあたしはすっかり蓮の虜だ



「ね~え、おふたりさんあたしのこと忘れてない?忘れてるでしょ?

盛り上がってるとこ悪いけどふたりとも注目浴びてるの分かってる?」




えっ・・・・・



そういえば忘れてた!



ここは病院の廊下で、外来の患者さんとかが行き来するところで・・・



リハビリ室からも丸見えで、玲奈ちゃんがいるのもすっかり忘れて抱き合ってたなんて・・



今頃気が付いてぱっと慌てて蓮から離れた



恥ずかしすぎる



「あ?なんで離れんだよ?見たい奴には見せとけばいいだろ


つか・・・俺のもんに触れたいときに触れて何が悪い」



蓮の俺様的発言に呆れるけどそんな言葉もあたしにとってはうれしくて・・・



なんだか赤い顔を見られたくなくて俯いていると玲奈ちゃんの笑い声



「も~莉子ちゃん可愛すぎだし蓮兄ってば相変わらずだし、ねえねえ

二人ともここじゃなんだから場所変えてゆっくり話できるとこ移動しない?」




「そうだな、場所変えるか」




玲奈ちゃんの一言で場所を変えて話をすることになり車いすを蓮が押しながら



あたしの病室へと急いだ




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