溺愛協奏曲
するとそれまで黙っていた涼くんが考え込むように口を開いた



「玲奈ちゃん、嫌なこと思い出させるようで悪いけど


その・・・・写真とかビデオとかそういうのは撮ってたかどうか覚えてる?」




「え・・・・あたし恐くて・・あんまり覚えてないの・・・ごめんなさい」



玲奈ちゃんは申し訳なさそうに俯いた



肩が小刻みに震えているのがわかって両手で玲奈ちゃんの手を握りしめた



もう嫌な思い出を思い出せたくなくて・・・・




この話はもう終わりにしたいのに・・・



「涼・・・あれから何年も経ってる、それは大丈夫じゃないのか?


あの当時組員総出で襲った犯人捜したがなにもでてこなかった



まあ、あの時は玲奈を襲った犯人捜しより容体の方が大事だったから


組員にまかせっきりだったし・・・なにせ俺もまだ中学生だったしな」




「いや・・・・ひょっこりそんなのがネットに流されでもしたら

厄介だなって思って・・・・すまない蓮、玲奈ちゃん」



「いいの・・・涼くんはあたしのこと心配していってくれたんだし・・・ありがとう」




にっこり微笑む玲奈ちゃんを見て張りつめたような空気の病室が一気に明るくなる



嫌なことはすっぱり忘れてリハビリ頑張るという前向きな玲奈ちゃんに皆目を細めて笑った



話を終えたあたし達は退院してからの短い夏休みの予定で盛り上がり・・・



車いすの玲奈ちゃんも参加できることを・・・・ということになった



それからあっという間に退院の日になりあたしはようやく長い入院生活におさらばした









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