溺愛協奏曲
「蓮に同情して欲しくて・・・・少しでもあたしを見てほしくて


でも、そんなことしても蓮は変わらずいつもの蓮で・・・


遅かれ早かれ分かることだろって一言で終わっちゃったし



何だよって感じ・・・相変わらず蓮の心は莉子の方を向いたままだし


許せなかったの・・・蓮はあたしの物なのにってあたしだけの物なのにって・・・」




茜ちゃん・・・・


大粒の涙を流して遠くをみつめて言う茜ちゃんの肩を片山勇次がそっと触れる



それに気付いた茜ちゃんは弱々しく微笑むと前を見つめて再び語り始めた



「莉子のこと調べてみるといい噂聞かないし・・・



派手だとか、遊んでるとか、誰とでも寝るとか悪い噂ばっかり



そんな女が蓮の傍に居るなんて許せなかった・・・・でも実際莉子と



接してみると全然違ってた・・・いい意味でね



蓮が惚れるのも無理はないって、勝てないってわかってるのに



そんなことしても蓮の心はあたしのほうには向かないって分かってるのに



そうせずにはいられなかった・・・・あたしどうかしてたの



蓮があたしのもとから離れてくのが恐くてしかたなかったし莉子が憎らしくて



たまらなかったの、だから片山に頼んだ・・・・・



莉子をめちゃくちゃにしてって、そうすれば莉子のほうから離れてくって



思ったの・・・・」




茜ちゃんは蓮のことをそんなにも好きだったんだ



でも・・・・茜ちゃんの気持ちに答えてあげられないのなら




その思いはどこに行けばいいんだろう










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