溺愛協奏曲

・・・・えっ　　　　な・・・なに？




蓮、その人誰？




あたしの頭の中は真っ白で思考回路が停止する



一瞬、周りの音が聞こえなくなり雑音が消え周りが白一色になる




あたしは呆然とその場に立ってただ黙って見ていることしか出来なかった



すると、あたしに気付いた組員さんが近寄って声を掛けてきた



「あ・・・あれ？莉子さんじゃないすか？今日はどうしたんすか？

もしかして若になにか「どうしたの？その子誰」




ピンクのスーツの美人さんがあたしを見つけると怪訝そうな目で見つめてきた



隣にいる蓮はあたしを見て驚いたように目を見開く



蓮はあたしを黙って見つめて彼女と腕を組んだまま




射抜くような瞳であたしを見ていた




「紗枝お嬢様！あ・・・この方はこの間まで組に手伝いに来てくれていた人で・・・・」



組員さんが慌てたように呟いた



「ああ・・・この人が家政婦さんね、もしかしてあなたが高遠莉子さん？」



「あ・・・・はい、初めまして高遠莉子です今日は荷物を受け取りにきたんですけど」



「そうなの、それなら宅配便で送ったはずだから今日あたり届くんじゃないかしら？」




宅配便・・・・そうなんだ



じゃあ、あたしって本当にここと接点がなくなるんだ




なんだかとても悲しくて身体から力が抜けていく様な気がした