溺愛協奏曲
「悪いとは思ったけどあなたのことちょっと調べさせてもらったわ


父親は輸入食品の会社に勤める営業マン、母親はあなたが小さいときに家出



して依然として行方不明、そして長女の莉子は高校一年生在学中



男好き、遊んでる、派手、彼氏を取られたという声多数・・・・



っていうのがあなたの周りの評価ってとこかしら?」



「な・・・・なんなんですか?あたしのこと調べていったいどうするつもりなんですか?」




目の前に座る紗枝子さんがにやりと不敵な笑みを浮かべた



背筋が何故かぞくりとする



お嬢様とは似ても似つかない笑みを浮かべた紗枝子さんを一瞬恐いと感じてしまった



「もしかして行方不明のお母様が帰ってくるんじゃないかって思ってたりするんじゃ


ない?だからこの地を離れたくない・・・・・そんなとこかしら?」



あたしがお母さんを待ってる?



そんなこと、そんなことあるわけない!



なんでこの人にそこまで言われなくちゃいけないの?



頭に血がのぼったあたしは紗枝子さんを睨んだまま一気に捲し立てた




「結局紗枝子さんはあたしにどうしてほしいんですか?あたしのこと調べるのは


勝手ですけどこの街を出て行けとかなんとかあなたに言われる筋合いはないと


思うんですけど・・・・違いますか?」




「・・・・・くっ、なんなのよ!こっちが下手に出ていればいい気になって!

蓮の目の届かないとこに行ってっていってんじゃない!あなたがこの街に


いるから・・・・いつでも手の届くところにいるから蓮の心はあたしのほうを


向いてくれないのよ!どうしてわかんないの?」





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