溺愛協奏曲
会場に現れたのは紗枝子お嬢様に手を引かれてゆっくりと歩いてくるスーツ姿の一人の老人




・・・・・ん?あの、おじいさんなんだろ?




何処かで見たことあるような・・・・?




「へえ・・・・久しぶりだな、こんな公の場に顔を表すなんて何年ぶりだろう」



お兄ちゃんが感心した面持ちで呟いた



お兄ちゃんの知り合いなのかな?




「お兄ちゃん、あのおじいさん誰よ?」



「は?茜、おまえあの人のこと知らないのか?あの人は坊城グループの創始者で


前社長であり会長であって総帥と呼ばれている人だよ



いまだに政財界に強い影響力を持っていて



あの人に睨まれたら全国の極道者は表を歩けないんじゃないかってくらいの人なんだよ



引退してからはぷっつり表舞台から姿を消してたけど、さすがに孫娘の婚約パーティ



には姿を現したみたいだね」




「へえ・・・・そうなんだ」




突然現れた大物人物にあたしも興味深々で見つめる



現在の社長と孫娘の紗枝子とともに舞台にあがった総帥と呼ばれる老人は



パーティの出席者全員の顔を見渡すようにぐるりと見渡すと意外なことを



言い出した・・・・小柄で白髪のおじいさんは眼光するどくさすがは




坊城グループの創始者だ、絶対的なオーラを滲ませていた




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